オホーツクに消ゆ

土曜の夜に出発し、数時間かけてオホーツク沿岸のとある町にいってきた。
目的は、カラフトマス釣り。
到着したのは夜明け前。
札幌では見る事のできない星空にちょっぴり感動しつつ立ち小便。
夜明けを待っていざ出陣。
釣り場に着くと、すでに数十人が釣竿持って格闘中。
早速俺もビギナーズラックを信じて釣り人の行列に紛れ込む。
いきなりのトラブル発生!!
糸が絡まった!!
リールの使い方すらよくわかってない俺はワニワニパニック状態!
必死に絡まった糸を解こうとするがうまくいかない。
隣で釣ってた人の良さそうなおっちゃんに目で助けを求める。
数分後見かねたおっちゃんが助けに来てくれた。
教えてくれた通りやってみたがなかなかうまくいかない。
めんどくさかったので「釣り初めてでよくわからないんですよ〜」と初心者アピール。
するとおっちゃんは俺の代わりに全部やってくれた。
ん〜、海風と共に人の親切が目に染みる。
俺も困った人を見たら必ず助けてあげようと心に誓う。
おっちゃんにお礼をし、再びフィッシング!!
全然釣れない。
当たりすらない。
そうこうしてる内に、釣れる人続出。
びっくりしたのは釣られたマスオさんのその後の運命。
岸に上がったその瞬間にサッカーボールのごとくポンポン蹴られるマスオさん。
その後踏みつけられて身動き取れないマスオさんに、
釣り人達は木片やら石やら拳やらを脳天めがけて振りかざす。
マスオさんあえなく失神。
おとなしくなったマスオさんをどうするかと思ったら、今度は穴を掘って土に埋めだす極悪非道の釣り人達。
おーい、マスオさんはまだ生きてるぞ〜!!
お墓を作るのはまだ早いですよ〜〜!!
俺の悲痛の叫びも届かず生き埋めにされたマスオさん、かわいそうに…。でもこれはハエなどの虫がつかないようにする為の処置なのだそうだ。
なるほどな、なるほどなるほどなるほどなっ!
人間って頭いいね。
俺は関心しつつも釣りを続けた。
依然として全く釣れない。
その後は適当に釣りをしつつ、人間ウォッチングに興ずる。
俺がそんなことをしてる間に、釣りバカ日誌の連れが一匹釣り上げた。
なかなかの大物。
俺は自分で釣ったわけでもないのになぜか感動していた。
よくやったぞ○○! これでマスオさんをいただける!
そう、俺は別に食にありつけさえすればそれでいいのだ。
安心した俺はその後も、人間ウォッチングを続けていた。
するとまたしてもトラブル発生!!
今度は連れに災難が訪れた!
なんと隣のおっちゃんの竿とぶつかって、連れの竿が折れたのだ!!
なんてついてない…。
するとおっちゃんがやってきて、ごちゃごちゃごちゃごちゃ言い訳をしだした。
いや別にあんたが悪いなんていってないし。
事故だしお互い様だし。
ただ、ごちゃごちゃいう前に、とりあえず一言謝れと。それが人の道ってもんじゃないのかい。
まぁ起きてしまったことは仕方が無い。
俺の竿(といってもそいつのだが)を貸して、せめてもう一匹(俺の分)釣るように活を入れた。
竿もなく暇そうにしてた俺に、帰り支度を始めたさっきの親切なおっちゃんがバナナをくれた。
別に腹は減ってなかったがありがたく頂く。
ん〜、普通のバナナだがいつも食べてるバナナよりなぜか格段に美味かった。
おっちゃんに改めてさっきのお礼をし見送った。
時刻も7時を過ぎ、釣れる人も少なくなってきた。
もう釣れ時は終わったのだろうか。
連れも諦め顔で戻ってきた。
成果は一匹とちと不満だったが俺達は引き上げることにした。
途中コンビニに寄り、発泡スチロールの容器と氷を購入。
これで鮮度を落とさずに持ち帰ることができるだろう。
あとは札幌に帰るだけ。
安全運転で頼むぞ○○!
その時だった。
またしても俺達の身に災難が!!!



続く